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ウランバートルとロンドン 

Fact.mnより(2011.09.21)

経済学者 D.ジャルガルサイハンのブログより

ウランバートルロンドンは2つの点で似ている。しかし、1つの点で異なる。

似ている点その1

モンゴル英国の首都はどちらも大気汚染にまみれ、住民の健康と命を害してきた。

ウランバートル大気汚染は60年前のロンドンに匹敵し、世界で最も大気汚染の酷い都市として不名誉な地位に何年も居座っている。ウランバートル市民は、市内中心部で通常より6倍、ゲル地区では18倍の有害物質、粉塵を含んだ空気の中で呼吸している。

霧のアルビオンの首都、ロンドン市の大気汚染が最も酷かった1952年12月5日~9日には、全ての煙突から不完全燃焼の石炭の煙が排出され、4000人の命が失われた。その後、さらに8000人が大気汚染により亡くなった。

現在、ウランバートル市の大気中にある硫黄酸化物および窒素酸化物を含む有毒ガス、粉塵の成分は、当時のロンドンと同じになったとモンゴル政府、ウランバートル市役所はしぶしぶ認めたが、事態に対して何も有効な解決策を出せないでいる。何千人もの市民を苦しめ、乳幼児があらゆる種類の呼吸器疾患に罹って亡くなっているのは、災害のレベルを超えているとマスコミは何度も伝えている。

似ている点その2

問題を解決するために英国モンゴルが出した決定も似ている。

大気汚染の発生源をなくすために、1954年に英国国会はきれいな空気に関する法律を制定・施行した。この法律に従い、大気汚染を低減するための多くの対策が取られた中のひとつが、ロンドン市で「大気汚染重点対策地域」を指定し、無煙炭、電気および天然ガスだけを使用し始めたので、大気汚染は徐々に改善されていった。
石炭火力発電所をロンドン市内から郊外へ移転させ、多くの煙突を高くした歴史がある。

モンゴル国会でも、ウランバートル市の大気汚染を半減させる決定を出し、生石炭の使用量を削減し、煙の少ないストーブを7万台用意し、古いストーブと交換する決定を出した。アメリカの援助金を、ミレニアム挑戦基金のプロジェクトを介して受け取った。予算の80億トゥグルクを使っても、ストーブの交換事業が、たった5%しか進捗していないことを、先週、国会議員らが聞き及び、かなり憤慨した。そして、ウランバートル市の大気汚染を低減する国会決議の実行が不十分だと判断し、この決議の実現に「もっと本腰を入れるように」関連各所に通達した。

しくみの違い

英国では、何かの法律を出す前には関係者が全ての面から意見を出し合い、議論し、時にはデモも行われる。しかし、一度法律、決定が出されたなら、全ての人がそれに従って実行する。担当機関はその法律を強制的に実現する。

モンゴルでは、法や決議は出ているだけで、それに従わず、一部は自分に有利なように適用している。例えば、国会で決議されても実現されずにまる1年が過ぎ、次の冬に以前と同じように煙の季節を迎えようとしているのに、さらに「本腰を入れろ」と通達を出しても意味がない。誰のための通達だろう?責任者達は自分達が通達を出していれば事態が改善すると思っているのだろう。誰が、なぜ、決議を実現しないのかを明らかにしない理由は何だろう?

消化した何十億トゥグルクもの予算がどこに消えたのか市民に公表せず、隠し続けている。誰に、いくら渡したか、明細を出し、市民に公表することを、モンゴルの政府が最も恐れている理由はなんだろうか?なぜかと言えば、政府、市の予算を誰が何に使ったかを公表すれば、非常に多くの政治家の責任問題になるからだ。

国と地方の予算を、誰と関係のある何と言う会社に配ったか、配った予算はどの程度実際に使われたのかを、市民の代表を含む第三者機関に審査させ、市民に公表するなら、市長達にとってはまさに悪夢となるだろう。

モンゴルの政治では、誰が法律を制定し、誰がそれを実現すべきなのかが不明確なことの結果のひとつの例がこれだ。

英国、モンゴル2国のしくみの違いは、英国では法律を出せば必ず実現できるが、モンゴルでは法律を実現する代わりに、うやむやにして忘れ去られていく。誰も責任を取ることはない。ウランバートル市長を市民ではなく、国会議員が選ぶ今のシステムは、誰にとって利益があるだろうか?

経済学者、「モンゴルの公正な税と賢いお金の使い方のためのNGO」代表
D.ジャルガルサイハン

http://djargal.blog.banjig.net (モンゴル語)
http://www.djargal.blogspot.com (英語)

原文はこちら

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コメント

大気汚染の基準について

日本にいながら、モンゴルの最新ニュースが手に取るように分かる貴ニュースを何時も拝見していますFOREST JAPANと申します。
今春、モンゴルの国会議員の訪日に合わせ、4大公害病の一つ「四日市喘息」を経験した市民として議員を四日市市へお招きし、大気汚染に係るセミナーを開催させて頂きました。
 また、当日、講師を務めて頂いた四日市大学の先生を今秋にUB市へご案内し、その現状をご覧になって頂くと共に、講演をして頂いています。
 大気汚染で1000人に近い死亡者を出し、その悲劇を繰り返してはならない、そして、公害を乗り越えてきた者達だからこそ、伝える大切な何かがあると言う思いでいっぱいです。
 UB市内の大気汚染で、硫黄酸化物や窒素酸化物等の計測はされているのでしょうか。
また、硫黄酸化物が発生しにくいバイオブリケットと呼ばれる石炭があります。バイオブリケットの工場がモンゴルには以前は30以上あったものの、現在、稼働している工場は5工場程度に減少していると言う事を聞きました。(ドイツの技術を移転してるそうです。)
 モンゴルでのバイオブリケット工場について、何か情報が御座いましたら教えて頂けると有難く思います。
 例えば、石炭の成分などについて。
また、UB市内の大気汚染に係る健康被害の度合い(患者数やその症状等)もニュースとして取り扱って頂けると嬉しいです。
 モンゴルと日本が、UB市と四日市市が真の友情を結べるようになればと思います。
宜しくお願いします。

Re: 大気汚染の基準について

FOREST JAPANさま

コメントありがとうございます。

UB市の大気汚染の基準の数値について、明確なデータは持ち合わせていないのですが、
2010年までのゲル地区、自動車の増加とSOx、NOxの推移のデータは
UB市のHP(http://ulaanbaatar.mn/content/view/821/139/)で見ることができます。

バイオブリケットについては存じ上げないのですが、モンゴルでは第二発電所で
石炭をコークス化する工場の建設が進められており、一部、半コークス炭の生産が
始まっています。
(http://politics.news.mn/content/77639.shtml)
(http://www.dailynews.mn/?vfile=5&vmet_id=21008&vmet_main=3648)
ここには、ロシアの会社が参画しています。

以上、ご参考になれば幸いです。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: 大気汚染UB

cocoさま

コメントありがとうございます。

おっしゃる通りですね。

有難う御座いました。

早速のお知らせを有難う御座いました。
ロシアのバイブリ工場もあるのですね。
今後も貴ニュースから目が離せません。
楽しみにしています。
FOREST JAPAN

Re: 有難う御座いました。

FOREST+JAPAN さま

お役に立ててよかったです。
今後とも応援よろしくお願いします。

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